ふつつかな悪女ではございますが

 メンタル最強主人公が後宮の謎を解き明かす!?超級中華系ファンタジー‼‼

今回紹介するのは中村 颯希先生の『ふつつかな悪女ではございますが』です。

この作品は、鋼のメンタルの主人公、玲琳がその持ち前の度胸と知恵を生かして、仲間とともに窮地に立ち向かっていくラブ(?)ファンタジー。なろう内での人気も高く、書籍化も決定しました。

 こういう傾向を持つ人におすすめ

  • 恋愛も大事だけど女同士の友情も大好き!! 女の子同士仲良くなるのを応援したい!
  • 王道少年漫画の主人公みたいな筋の通った主人公が好き‼‼
  • 中華‼宮廷‼女同士のバトル!!この3つのうちどれかのワードが大好き‼‼

 

 

ストーリー

次期皇后の座をかけて、五家の姫君たちが競い合う場所「雛宮」。
黄家の玲琳(れいりん)は、やや病弱ながらも才気に溢れ、次期皇后候補との呼び声高い美少女だったが、それを妬んだ朱家の姫・慧月によって、互いの体を入れ替えられてしまう。
慧月の卑劣な罠によって、真実を訴える言葉を封じられ、処刑にまで追い込まれる玲琳。回避しても、野ざらしの粗末な蔵に身一つで追いやられてしまう。
だが、慧月は知らなかった。
「ええと、死にかけるのはわりと日常なので問題ないのですが……それより、こんな健康な体で過ごさせていただけるのですか!?」
玲琳は「やや病弱」どころか、数日に一度倒れるほどの虚弱体質であり、それゆえ鋼のメンタルを持つ少女であったことを――!
荒野で薬草栽培はお手の物、これまで抑えていた鍛錬も存分にできる!
降って湧いた健康な体に歓喜し、「朱 慧月」としてここぞとばかりに伸び伸び過ごす玲琳。
一方これまで「朱 慧月」を蔑んできた、皇太子をはじめとする周囲は、突然様子の変わった彼女に、徐々に惹かれていき……?

 慧月となった玲琳の悠々自適に過ごしすぎ!?

逆に玲琳になった慧月は大慌て!?

結局、二人の入れ替わりは解消できるのか!?

 知りたい人は、本編を読んでください

https://ncode.syosetu.com/n6464gi/

 

感想

まず言いたいことは一言。

この作品、面白いからとりあえず読んでくれ

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魅力1、読めばみな大好きになれる‼‼ 超前向き主人公、玲琳

この作品の魅力は何と言っても、主人公の玲琳。うっかり系最強ドジという系統ながら、その筋の通った言動と愛らしい天然っぷりで読者の我々もそしてほかの登場人物も魅了していきます。

というのは、彼女は周囲の誰からも不条理に嫌われている環境にいるというのに、常に前向きなんですね。

 

虫のびっしり詰まった箱を梨園に投げ入れてきたり、枕に鋏を突き立ててみたり、はたまた、集めてきた汚物を梨園に撒いたり

されても

 ただ玲琳からすればそれは、「土をもう少し耕したいな」と思っていたらミミズをもらえた、「裁縫をしたいな」と思っていたら鋏をもらえた、「土壌を改良したいな」と思っていたら堆肥をもらえた、といった感じで、ことごとくこちらを喜ばせてもらっている。

となってしまうのです。どんな嫌がらせも聞かないその鋼メンタルっぷりに玲琳に対して悪意を持った人は翻弄され、彼女のペースに巻き込まれてしまいます。

当時の小説ページのコメント欄では敵役のほうが応援されていたというのも納得です。

 

それに加えて玲琳はただ鋼メンタルなだけではなく、非常に慈愛に満ちた人物でもあります。自らの体を勝手に入れ替えた慧月に対してですら、自らに健康な体を与えてくれたことへの感謝をしてばかりで一つも恨んでいないのです。

そんな玲琳だからこそ、一度仲間だとおもった人は何が何でも味方になりますし決して見捨てたりしません。自分についてる女官がいじめられたらどんな格上が相手でもきっちりやり返しそうとしますし、病に苦しむ慧月のためなら自分の体を切るような無茶だってやってのけます。彼女に害意があった人もそんな彼女に絆されてしまう始末。

そんな彼女の姿は、"玲琳お姉さま‼‼"といいたくなってしまうような確かなカッコよさがあります。読んでいるこちら側まで玲琳に魅了されてしまいます

魅力2,誰も嫌いになれない!?魅力的なキャラクター達

 

この作品はギャグ調の作品ですが、玲琳に対するいじめや嫌がらせは内容だけ見ればとても極刑に処せられかけたり、馬糞をなげつけられたりととても残酷です。しかしながら、読んでいてその扱いの冷酷さをあまり気にせずに読むことができるのは、玲琳の超人的な鈍感さ故もありますが、それよりも悪役を含めたキャラクターたちが非常に魅力的に描かれているから。

嫌がらせをしてきた女官には実はいろいろ事情があって、仲良くなった後は真面目かわいい突っ込み要員になったり、無理難題を吹っかけてきたライバルの姫はその試練を乗り越えた後、きちんと実力を認めてくれたりと、心の底から嫌いになるような、根っからの悪役がいないんです。読者がどのキャラのことも嫌いにならないように配慮されている。

元凶である入れ替わりの首謀者の慧月ですら、最後にはかわいく思えてくるほど。

読んでるうちにキャラクターをみんな好きになっちゃって、どのキャラのことも自然と応援してしまう。そんな作品です。

魅力3、何を言ってもネタバレ!? 作者の確かな筆力と構成力‼‼

この記事を書き始めて気づいたのですが、この作品、実はとてもレビューが書きづらい作品です。

というのは、筆者の物語の構成力が高すぎて、最近の少年漫画並みにテンポよく展開が進むから‼‼ 一つ一つのエピソードが面白い上に、全てが結末への伏線になっているのです。何を書いてもネタバレになってしまう……。

この作品、なろうの中ではそれほど長い作品ではありません。しかしながらその短さを感じさせないような、怒涛の展開、魅力的なキャラクター、特徴的な世界観が詰まっています。37話すべて一気読みしてしまうような最高の物語です。ぜひ一度読んでみてください

 

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